癇癪が減り、責任感と勉強頻度が増える!親の"ある"声かけとは?

癇癪が減り、責任感と勉強頻度が増える!親の"ある"声かけとは?

幼児教育講師のTERUです!

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僕が見ていたあるご家庭の話なのですが、そのご家庭はとにかくお子さんの癇癪に悩んでいました。なんとか少しでも癇癪が緩和されないかといろんな情報を調べた結果、『親である自分の日頃の声掛けが、Youメッセージばっかりになっていて、それが子どもの癇癪を引き起こしているんじゃないか』と考えたそうなんですよね。そこに辿り着くの結構すごいよなぁと思ったんですが、そこからその親御さんは意識的にIメッセージを使うように関わり方を変えて、そうしたら癇癪が少しずつ収まっていったそうなんです。

もちろん癇癪が良くなっていった理由はそれだけではないと思いますが、その話を聞いて、僕は改めて思ったんです。

『Iメッセージって、やっぱり大事だなぁ』

って。なので今日は改めて、Iメッセージってそもそも何か? どんな科学的裏付けがあって、子育てにおいてどれだけ重要で、そして具体的にどんな使い方が正しいのか? このあたりを徹底的にまとめてみたいと思います😊

SECTION 1

Iメッセージの研究的裏付け

Iメッセージって、実はちゃんとした研究的な裏付けがあるコミュニケーション手法です。1962年、アメリカの臨床心理学者トーマス・ゴードン博士という方が提唱した『親業訓練(PET)』というプログラムの中で生まれたものなんですけど、この親業訓練、1970年から1980年までの10年間で43本の論文、うち博士論文27本が発表されています。学術的にもしっかり研究されてきたものなんですよね。

その研究の中で、Iメッセージを取り入れて子育てをした親子に、こんな変化があったそうです。

子どもの変化
親に対して開放的になり、防衛的でなくなった
自己責任感が増した
よく勉強するようになった
学業不振だった子が、しっかり成績を取るようになった
親の変化
親としての自信が増した
親と子の相互理解度・相互信頼度が増した
自分自身のことがよく分かるようになった
子どもへの信頼と、自分自身への信頼が増した

ここ、面白いなって思うのが、『子どもだけじゃなく、親自身も変わる』って点なんですよね。「親と子の相互理解度・相互信頼度が増した」って、これって子育てにおいて、本当に本質的な変化だなと思います。

まずはこれが、Iメッセージの裏付け的な話ですね。

ちなみに、この変化ってすぐに出るものではないんですよね。研究の中でも、ある程度の期間、親が継続してIメッセージを取り入れていった結果として見えてきている変化です。

なので、「Iメッセージに変えたから明日から子どもが変わる」というよりは、じっくり積み重ねていくものとして捉えるのが大事だなと思います。

SECTION 2

Iメッセージの心理学的位置づけ

そしてもう一つ、ここが個人的に面白くて、Iメッセージって、心理学の中で『アサーティブ・コミュニケーション』という分野の代表的な方法として位置づけられているんですよね。

アサーティブ・コミュニケーションって聞き慣れない言葉かもしれないんですけど、簡単に言うと

『自分の気持ちを大事にしながら、相手の気持ちも大事にする伝え方』

というものです。

このアサーティブ・コミュニケーションでは、人と人のやり取りを3つに分類しています。

①アグレッシブ(攻撃的):相手を責める伝え方

これは「あなたが悪い!」「なんでこんなこともできないの!」みたいな、相手をやり込めるような伝え方ですね。

②ノンアサーティブ(非主張的):自分の気持ちを抑え込んでしまう伝え方

これは逆に、「まあいいか…」「言ったら嫌われるかも…」と、自分の気持ちを我慢して飲み込んじゃう伝え方です。

③アサーティブ:相手を尊重しつつ、自分の気持ちも率直に伝える

これがまさに今回のIメッセージであり、自分も相手も大事にしながら、ちゃんと自分の気持ちを伝える方法ですね。

SECTION 3

Iメッセージの3段階構造

そしてここ大事なポイントなのですが、Iメッセージって、ただ「私は〜と感じる」って言うだけじゃなくて、実は3段階の構造があります。

行動の事実:「あなたが○○すると」
私への影響:「私には△△という影響がある」
私の感情:「私は□□と感じる」

例えば、

『あなたが夜中まで起きていると(行動)、お母さん朝起こすのが大変で(影響)、困っちゃうな(感情)』

みたいな構造ですね。

ただ「お母さん困るんだよ」って言うんじゃなく、『あなたの○○という行動が、私にとってどう影響して、私はどう感じているか』を構造的に伝える。

これが、正しいIメッセージであり、これを意識して伝えていくと、子どもからすると、『なるほど、お母さんがそう感じる理由が分かった』と、納得感を持って受け取りやすくなったり、次の行動に応用がしやすかったりするんですよね。

SECTION 4

その他にもこんな効果が

ここまで親業訓練の研究結果として、自己責任感UPとか、親子の相互理解UPとかをお伝えしましたが、僕の実感として、Iメッセージには他にもこんな効果があると感じています。

①子ども自身の言語化能力が育つ

これは、親が普段から「お母さんは○○と感じる」と感情を言葉にしている姿を見ることで、子どもも自然に「ぼくは○○と感じる」と、自分の感情を言葉にする力が育っていくんですよね。

冒頭の癇癪のお話とも繋がるんですけど、感情を言葉にできない子は、自分の怒りや不安を癇癪や暴れることでしか表現できないことが多い。

Iメッセージを使う親の姿が、子どもにとっての感情表現のお手本になっていくんですね。

②指示待ちになりづらくなっていく

Youメッセージって、どうしても『指示』や『命令』になりがちです。「早く片付けなさい」「ちゃんと宿題しなさい」みたいな。これだと子どもは「言われたからやる」「言われないと動かない」になりやすい。

もちろん、Youメッセージで強く言われた方がすぐに動くっていう子もたくさんいます。Youメッセージは、一瞬の感情を動かしやすいのもあるので、手っ取り早いと思って僕も含め大人は使いたくなってしまうと思うのですが、ただ、Youメッセージで動く時って、子どもの中では『怒られたくないから動く』『怖いから動く』という、外からの恐怖がモチベーションになっていることが多いんですよね。

一方Iメッセージ「散らかってると、お母さん悲しいな」って伝える場合は、子どもは「自分はどうすべきか?」と自分で考える余地が生まれる。これを繰り返していくと、親が指示しなくても自分で動ける子が育っていきやすい。

だから、Iメッセージで動きづらい子でも、長期視点で子どもの心を育む声かけであると考えて行うのが大事かなと思ってます。

僕も無意識にYouメッセージが出てきてしまうので、頑張りたいです🥺

SECTION 5

Iメッセージの種類と使い方

ここまで「Iメッセージって長期的に大事だよね」って話をしてきましたが、最後に、じゃあ具体的にIメッセージの事例をご紹介しますね!

まず、Iメッセージって大きく分けて2種類あるんですよね。それが、『マイナス感情のIメッセージ』『プラス感情のIメッセージ』の2つです。

マイナス感情のIメッセージ

「○○されると、〇〇だからお母さん悲しいな」「○○だと、〇〇になるからお母さん困っちゃうな」みたいな、自分が困った時・嫌な時の気持ちを伝えるIメッセージ。

プラス感情のIメッセージ

「○○してくれて、お母さん嬉しかったな」「○○してくれると、〇〇で、お母さん助かるな」みたいな、自分が嬉しい時・助かった時の気持ちを伝えるIメッセージ。

どちらもIメッセージなんですけど、僕個人としては、

『できるだけプラス感情のIメッセージを多く使ってほしい』

と思っています。

もちろん、マイナス感情のIメッセージも使っていいんですけど、こちらだけになっちゃうと、子どもからすると『お母さん、いつも悲しい・困ってる』というメッセージばかりを受け取ることになって、これはこれで、子どもの心理的な負担になることもあるんですよね。

なので、両方を意識した上で、特にプラス感情のIメッセージを意識して増やしていくのがオススメですね!

それでは、日常のシーンで両方の例を見ていきましょう!

SECTION 6

Iメッセージの具体例

ちなみに、先ほどお話しした3段階の構造(行動→影響→感情)を意識した例で挙げていきますね。ただ、毎回3段階全部入れると正直会話として不自然になることもあるので、文脈的に『私への影響』の部分が省略されたりするのは全然OKだと思って聞いてくださいね😊今回はあえて構造をわかりやすくするためのセリフにしています!

①散らかして片付けない時
❌ Youメッセージ
「またこんなに散らかして!何度言ったら分かるの!」
⭕ マイナス感情のIメッセージ
「お部屋がこんなに散らかってると(行動)、足の踏み場がない。お母さん移動するのが大変で(影響)、困ってしまうんだけど(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(散らかしてしまっている時に)
「片付けてくれると(行動)、安心して歩けるから(影響)、お母さん助かるな(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(いい行動をしてくれた時)
「お部屋片付けてくれたんだね(行動)、過ごしやすくなって(影響)、お母さん嬉しいな(感情)」
②勉強・宿題の時
❌ Youメッセージ
「勉強しなさい!」
⭕ マイナス感情のIメッセージ
「宿題を後回しにして夜遅くにやると(行動)、寝る時間が短くなってしまうから(影響)、お母さんちょっと心配になるな(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(宿題に取り掛かれていない時に)
「先に宿題やってから遊んでくれると(行動)、夜ゆっくり過ごせるから(影響)、お母さん嬉しいな(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(いい行動をしてくれた時)
「お、自分から宿題始めたんだね(行動)、○○がコツコツ頑張ってるの見ると(影響)、お母さんもお仕事頑張ろうって思うよ(感情)」
③感情を表現する時(癇癪・気持ちの伝え方)
❌ Youメッセージ
「そんなことで怒らないで」「いちいち泣かないで」
⭕ マイナス感情のIメッセージ
「あなたが泣いて暴れてると(行動)、何で怒ってるのか分からなくて(影響)、お母さん辛いんだ(感情)。言葉で伝えてくれると嬉しいな」
⭕ プラス感情のIメッセージ(癇癪を起こしている最中に)
「気持ちを言葉で教えてくれると(行動)、○○のこと分かってあげられるから(影響)、お母さん助かるな(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(いい行動をしてくれた時)
「悔しい気持ちを言葉で教えてくれてありがとう(行動)、あなたの気持ちがわかって(影響)、お母さん嬉しかったよ(感情)」

ちなみにこの癇癪のシーンだけ補足させてもらうと、子どもが激しく癇癪を起こしている真っ最中って、子ども側の脳がもう興奮状態でいっぱいいっぱいなので、いきなりIメッセージを伝えても、なかなか届かないことが多いんですよね。なので、まずは「悔しかったんだね」「思い通りにいかなくて悲しかったんだね」と気持ちに共感してあげて、子どもが落ち着いた後に、改めてIメッセージを伝える、という順番が大事です。これだけ補足させてください😊

④寝る時間
❌ Youメッセージ
「早く寝なさい!」
⭕ マイナス感情のIメッセージ
「夜遅くまで起きてると(行動)、明日朝起きられるのかなって(影響)、お母さん心配になるよ(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(なかなか寝てくれない時に)
「早めにお布団に入ってくれると(行動)、明日元気に起きられるから(影響)、お母さん嬉しいな(感情)」
⭕ プラス感情のIメッセージ(いい行動をしてくれた時)
「自分で寝る準備をしてくれてありがとう(行動)、その時間でお母さん他のことができたから(影響)、すごく助かったな(感情)」

以上、4つのシーンで具体例を挙げてみました!

こんな感じで、

『「責める」じゃなく「私はこう感じる」をできるだけ伝える』

そして、『マイナス感情のIメッセージ』と『プラス感情のIメッセージ』の両方を意識しながら、できればプラス感情のIメッセージを多く使う。

これが、Iメッセージの基本かなと思っています!

最後にお伝えしたいのは、

『Iメッセージは、すぐに劇的な変化が出る魔法の言葉じゃない』

ということです。「Iメッセージに変えてみたけど、うちの子全然動かなかった」と感じる機会は多々あると思います。それで普通だと思ってください。でも、長く続けていく中で、『お母さんが、僕の気持ちを言葉で受け止めてくれる』『お母さんも、自分の気持ちを言葉で伝えてくれる』そんな実感が、子どもの中に少しずつ積み重なっていく。そしてその積み重ねが、長期的に見たときに、親子の信頼関係、子どもの自立、子ども自身の感情表現の力として、確実に表れてくる。そんな関わり方なんですよね。

完璧にやろうとしなくて全然大丈夫です。できる限りできる範囲でOKです!僕も今でもつい「Youメッセージ」が出ちゃう日もたくさんありますから、皆さんと一緒に頑張っていきたいなと思ってます😊

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