「怒るたびに、手に持っているおもちゃを投げてしまう…」「やめてと言えば言うほど、もっと投げる…」。物を投げる癇癪は、見ていてハラハラしますし、片付けも大変で、親のほうが先に参ってしまいますよね。
先日、5歳の息子さんの「物を投げる癇癪」に悩む親御さんからご相談をいただいて、僕のまわりの教育者チームのメンバーと「親としてできることは何だろう?」と本気で話し合いました。
この記事では、そこで出てきた原因の考え方と、実際のご家庭で効果があったものを中心にチームで選んだ5つの対策を、年齢や特性ごとの視点もまじえてまとめています。
この記事でわかること
- 子どもが癇癪で物を投げてしまう、全年齢に共通する仕組み
- 3歳・4〜5歳・6〜8歳で変わる、投げる原因の違い
- ADHD・ASDの特性がある子の場合に、上乗せされやすい要因
- 教育者チームで選んだ、物を投げる癇癪への5つの対策
- 専門家への相談を考えたい癇癪の目安
もくじ
子どもが癇癪で物を投げるのはなぜ?
チームで最初に話し合ったのは、「そもそも、物を投げる癇癪の原因って何だろう?」ということでした。原因がわからないまま対策を考えても、なかなかうまくいかないからです。
ただ、原因を掘り下げていくと本当に多岐にわたっていて、「癇癪って、ほんとにむずかしいね」という話になりました。それでも、年齢に関係なく共通している仕組みはいくつかあります。
- 衝動にブレーキをかける脳が育つ途中感情や行動をコントロールする脳の部分(前頭前野)はまだ発達の途中なので、カッとなった瞬間にブレーキをかけるのが、そもそもむずかしい時期です
- 投げることで気持ちを外に出している体の中にたまった緊張や怒り、混乱を、一気に外へ出す手段として「投げる」が使われていることがあります
- 言葉より先に体が動いてしまう気持ちを言葉で伝える力がまだ追いついていないと、手や体のほうが先に動きやすくなります
- 投げたあとの結果でくり返しやすくなる投げたら親が大きく反応した、嫌なことが止まった、という結果が得られると、その行動はくり返されやすくなります
- 体のコンディションが引き金になることもおなかがすいている、眠い、疲れている、音やにおいがつらいといった体の状態がきっかけになっていることも少なくありません
こうして並べてみると、子どもは投げたくて投げているわけではなく、まだうまく扱えない気持ちが、投げるという形で出てしまっていることが多いと僕は思います。とはいえ、目の前で物が飛んでくると、そんなふうに考える余裕なんてなかなか持てないですよね。
研究でわかっていること
アメリカのワクシュラグ博士らが、幼児期の子ども1,490人について親に回答してもらった研究では、83.7%の子に、ときどき癇癪がありました。一方で、毎日癇癪を起こしていた子は8.6%でした。
また、軽い癇癪は予想のつく場面でのイライラから起きることが多く、心配な癇癪は、予測できない・長く続く・物を壊すといった特徴を持つことが報告されています。
年齢ごとに考えられる投げる原因
チームで話していて面白かったのは、同じ「物を投げる」でも、年齢によって背景にあるものがかなり違うということです。もちろん個人差はとても大きいので、あくまで「こういう可能性もある」という目安として読んでみてください。
3歳ごろ
3歳ごろは、「自分の思いどおりにしたい」という気持ちがぐっと強くなる一方で、それを言葉にする力はまだ追いついていない時期です。要求を通す方法のレパートリーも少ないので、「泣く・叫ぶ・投げる」が主な交渉手段になっていることがあります。
また、この年齢の「投げる」には、物が落ちたり転がったりするのを確かめる実験のような面もあります。癇癪と、物の動きを知りたい探索の気持ちが混ざっていることも多いです。見通しを持つ力もまだ弱いので、予定の変更や遊びの中断で、一気にパニックのようになることもあります。
4〜5歳ごろ
4〜5歳になると、自分の気持ちを言葉にする力が育ってくる子が増えてきます。それでも、強い感情になった瞬間に、その力が一気に飛んでしまうことがあります。
「勝ち負け」「一番」「正しさ」へのこだわりが出てくる時期でもあるので、ゲームや遊びで負けた瞬間に投げてしまう子もいます。きょうだいや友だちとの関係のなかで思いどおりにならない経験が増えて、悔しさ・やきもちが引き金になったり、失敗を認めたくない気持ちが、物に当たる形で出たりすることもあります。
6〜8歳ごろ
小学校に入ると、学校で我慢する場面がぐっと増えます。そのぶん、家に帰ってから一気に気持ちがあふれ出す「家で爆発するタイプ」の癇癪が出てくることがあります。
「できる自分でいたい」気持ちと現実のギャップに傷ついて、宿題や習い事の場面で投げてしまう子もいます。友だち関係のストレスや、先生に注意された悔しさなど、親にうまく言葉で説明できない外でのストレスが原因になっていることも多いです。
自分の気持ちに名前をつけられるようになってくる一方で、「怒っている自分はダメなんだ」と感じて、さらにこじれてしまうこともあります。
TERU年齢ごとの原因を知っておくと、「なんでうちの子はこうなんだろう」という気持ちが、「今はこういう時期なのかも」に少し変わることがあります。
原因がひとつに絞れなくても大丈夫です。お子さんをよく見るためのヒントくらいに考えてもらえたらうれしいです。
ADHD・ASDの特性がある子の場合
ADHDやASDなどの特性がある子の場合は、ここまでの原因に加えて、特性による要因が上乗せされることがあります。これは「わざと」や「しつけの問題」ではなく、脳の働き方の特徴によるものです。
ADHDの特性がある場合に上乗せされやすい要因
- 衝動性が強い傾向があると、「ムカッ」と「投げる」の間に考えがはさまる余地がほとんどないことがあります
- 感情の振れ幅が大きく、0から100へ一気に振り切れてしまうことがあります
- ワーキングメモリ(情報を一時的に覚えておく力)の苦手さから、直前にした約束や、前に注意されたことを、癇癪の瞬間には思い出せないことがあります
- 「今すぐ思いどおりにしたい」という気持ちが、とても強く出やすいことがあります
ASDの特性がある場合に上乗せされやすい要因
- 予定の変更や、順番が違う、思っていたのと違う展開など、見通しが崩れたときのダメージがとても大きく、パニックの反応として投げることがあります
- こだわりが崩されたとき、怒りというより「世界が壊れたような感覚」に近い混乱が起きていることがあります
- 音・光・肌ざわり・においなどの感覚の過敏さが積み重なって、限界を超えた瞬間に爆発することがあります
- 本人にも止められない「メルトダウン」という状態になっていることがあります
ASDのお子さんの癇癪については、親向けプログラム「RUBI」の研究を紹介した記事もあります。
物を投げる癇癪に試したい5つの対策
ここからは、チームで話し合った対策のうち、実際のご家庭で効果があったものや、「これは大事だよね」とみんなの意見がそろったものを5つご紹介します。
どれも、すべての子に効く正解というわけではありません。お子さんに合いそうなものを、できる範囲で試してみてください。
対策1:NGではなく「OK」を作る
物を投げることに限らず、人は行動に「ダメ」を出されると、かえってその行動にこだわってしまうことがあります。癇癪のたびに物を投げるのがクセになっている子に、「投げちゃダメ!」と何度言っても、むしろ行動が強まってしまうことは結構あります。
そこでチームで真っ先に話題に挙がったのが、「投げていいもの」を決めておくという方法です。
チームのメンバーのひとりは、物を投げる癇癪があるお子さんと話すなかで、子どもも別に癇癪を起こしたくて起こしているわけでも、物を投げたくて投げているわけでもない、ということに気づいたそうです。そこから「怒りたくなったら、どうしようか?」と、問題に一緒に立ち向かうチームのような感覚で話し合うようにしました。
その話し合いのなかで、お子さんと一緒に「投げていいものBOX」を作りました。大きめの箱に、スポンジボールや新聞紙を丸めたボール、クッションなどを入れておき、「怒って物を投げたくなったら、この中の物なら投げてOK」と決めておいたそうです。
上手だなと思ったのは、その箱にストップウォッチを入れておいたことです。ちょうどその時期、お着替えを何分でできるかをストップウォッチで測るのにハマっていたので、「この箱にも入れてみる?」と提案したところ、「最初に5分だけ投げていい時間にする」というルールを、お子さん自身が考えたそうです。
その結果、癇癪を起こしたら自分で箱を持ってきて、ストップウォッチを押して思いきり投げる、という流れができました。時間になると自分で区切りをつけて、だんだん落ち着けるようになっていったそうです。
自分で考えて、自分で決めて、癇癪を起こしたときも自分で決めたことを実行する。そんな「自分でコントロールできている感覚」が、心の安定につながったのかなと僕は感じています。癇癪は思いどおりにいかない状況がきっかけになることが多いので、自分で動かせることがあると、うまくいかない気持ちが少しやわらぐのかもしれません。
投げていいものを決めるときの注意
- 投げる物は、やわらかくて軽い物だけにします(スポンジボール、丸めた新聞紙、クッションなど)。ストップウォッチなど硬い物は、投げる物とは分けて箱の横に置いておきます
- 壁や床、クッションに向けて投げることにして、人の顔や体、窓や照明には向けないと決めておきます
- きょうだいやほかの人が近くにいないことを確かめてから使います
対策2:「投げれば注目してもらえる」にならない反応をする
これはよく言われることかもしれませんが、チームのみんなが「やっぱり大事だよね」となったことのひとつです。
物を投げる原因のひとつに、投げたときに大人が大きく反応して、その反応が刺激になり、「投げれば注目してもらえる」と覚えてしまう、ということがあります。これを「誤学習」と呼びます。まちがったつながりを学んでしまう、という意味です。
注意を引くために投げることがクセになっている子の場合、一定の期間、大きな反応をしないでいると、それでは注目を引けないとわかって、おさまっていくことがあります。急に反応しなくなると一時的にヒートアップするのは自然なことなので、そこで慌てなくても大丈夫です。
「反応しない」は「無視」ではありません
大きな声を出したり、長い説教をしたりしないだけで、「〇〇が嫌だったんだね」「そうだよね」のように、刺激にならない落ち着いた声かけは続けてOKです。完全に無視をすると、子どもが不安になって、ヒートアップしてしまう原因になることもあります。
子どもやまわりの人が危ないときは、淡々と安全を守ることを優先してください。
ちなみに、今回ご相談をくださった親御さんは、すでに「反応しない」を1か月ほど続けていたものの、全然変わらなかったそうです。その場合は、注目を引くことが原因ではなかった可能性が高いので、ほかの対策を考えていくことになります。対策は「これをやれば必ず効く」というものではなく、お子さんに合うものを探していくものなんですよね。
対策3:「見通し」をあなどらない
これは、僕が関わっていたご家庭の例です。その子は、自分が何かをしている途中で、次の行動に移らないといけないときに、思いどおりにならないのが嫌で癇癪を起こしていました。
そこで効果があったのが、シンプルですが「先に次の行動を伝えて、少しでも納得できるようにしておく」関わりです。そのご家庭では、ここにちょっとした工夫を足していました。
大人あと5分でお風呂だからね。5分たったら、お母さんが声をかけたほうがいい?それとも、アレクサに教えてもらう?
このように、ただ「あと5分でお風呂だよ」と伝えるだけでなく、どうやって知らせるかを子どもに選んでもらう声かけです。さっきのストップウォッチと同じで、自分で決めることで納得感が生まれやすくなります。
この子にはこれがかなりフィットしました。僕の感覚では、この方法で納得感が高まるのは2〜3割くらいの子かなという印象ですが、ハマる子には効果があるんだなと感じたケースでした。
対策4:爆発する前に「ガス抜き」をする
これも同じご家庭のお話です。その子は小学校に上がってから、投げる癇癪がいちばんひどくなりました。学校で頑張っているストレスなど、いろいろなことが影響していたのだと思います。
そこで試したのが、爆発する前に、先に気持ちを発散しておくという方法です。
そのご家庭では、少し遠い児童館にトランポリンがありました。体を思いきり動かせて、感覚にも刺激が入るので僕がおすすめしたこともあり、小1の途中から放課後に車で通うようになりました。親御さんが時短勤務で、帰ってきたお子さんと過ごせる生活だったからこそできたことでもあります。
さらに、移動中の車の中で、親子で大声で叫ぶということもやっていました。車の中なら大声を出してもまわりに迷惑がかからないので、便利だなと改めて思いました。笑
トランポリンと、車の中で叫ぶ時間が組み合わさって、ひどい癇癪の回数はだいぶ減った印象でした。
このとき大事だったのは、「なぜ先に発散するのか」をお子さん自身にも伝えたことです。僕からも「学校で頑張っていてたまるストレスやモヤモヤした気持ちを、トランポリンや大声で外に出せるんだよ」と話したところ、「そうなんだ!」と納得した様子で、自分から進んでやってくれるようになりました。
大人がやらせるよりも、子ども自身がその意味を知って、自分で自分のためにやる形を作ってあげることが大切なんですよね。
トランポリンは大人が見守れる場所で、ひとりずつ跳ぶようにしてください。車の中で叫ぶときは、シートベルトやチャイルドシートはそのままで、座ったまま声を出すだけにしてください。運転する人は無理に一緒に叫ばず、運転に集中することを優先してください。
対策5:環境づくり→見守る→片付け→認める
これは、チームの心理士のメンバーがおすすめしていた流れです。
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ステップ1投げられて困る物をなるべく片付けておく
硬い物、割れる物、大切な物は、手の届かない所にしまっておきます。
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ステップ2癇癪のときは、いったん投げるのを止めない
人や自分に向かっていない、危ない物でもないなら、無理に止めずに見守ります。人や自分に向かって投げるとき、危ない物を手にしたときは、すぐに止めて安全を守ってください。
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ステップ3落ち着いたら、一緒に片付ける
責めるためではなく、元に戻すための時間として、大人も一緒に片付けます。
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ステップ4片付けられたことと、自分で落ち着けたことを認める
「一緒に片付けられたね」「自分で落ち着けたね」と言葉にして伝えます。
この流れで特に大事だと僕が思うのは、最後の「自分で落ち着けたことを認める」ところです。「癇癪を起こしてしまった」という自己否定ではなく、「癇癪から自分で戻ってこられた」という成功体験を積み重ねていけると思うからです。
とはいえ、ステップ1の「投げられて困る物をなるべく片付けておく」が、なかなかむずかしいですよね。正直、家じゅうを片付けるのは無理だと僕も思います。そんなときは、対策1の「投げていいものBOX」を使ったり、「こっちの方向なら投げていいゾーン」を決めたりするのが現実的かもしれません。
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公式LINEを友だち追加する落ち着いたあとに伝えたいこと
投げている最中は、どんなに正しいことを言っても、子どもの頭にはなかなか入りません。大事な話は、落ち着いてからのほうが届きやすくなります。
そのときに意識したいのが、気持ちと行動を分けて伝えることです。「怒るのはいいよ。でも、物を投げるのはやめようね」のように、怒りの気持ちそのものは認めつつ、投げるという行動だけを変えていこうと伝えます。気持ちまで否定してしまうと、「怒っている自分はダメなんだ」と感じて、かえってこじれてしまうことがあります。
余裕があるときには、「負けて悔しくなったら、どうする?」「イライラしたら、何ができるかな?」と、事前に一緒に練習しておくのもおすすめです。深呼吸する、「悔しい!」と言葉にする、その場を少し離れる、投げていいものBOXを取りに行くなど、子どもから出てきた方法を大事にしてみてください。特に、本番で思い出すのが苦手な子には、普段から体で覚えておくことが助けになることがあります。
TERU毎回うまく関われなくても、それで大丈夫です。物が飛んでくる毎日のなかで、穏やかでいるのは本当に大変ですよね。
できる限り、できる範囲で。それで十分だと僕は思っています。
癇癪の「その場」での関わり方や、普段からできることは、4歳・5歳の癇癪についてまとめた記事でもくわしく紹介しています。人を叩いてしまう子については、すぐ手が出てしまう子への家庭での実践もあわせて読んでみてください。
相談を考えたい癇癪の目安
癇癪そのものは幼児期にとてもよくあることですが、なかには相談を考えたいサインもあります。
セントルイス・ワシントン大学のベルデン博士らが3〜6歳の子ども279人を調べた研究では、癇癪の様子を比べて、うつ病や、ADHD・反抗挑発症などの行動面の障害と診断された子に多かった特徴が報告されています。
気にかけておきたいサイン
- 直近の癇癪の半分以上で、親など世話をしている大人への攻撃や、物を激しく壊す行動がある
- 癇癪のときに、わざと自分を傷つける
- 家では1か月に10〜20日も癇癪がある(園や外では、1日に5回を超える日が何日もある)
- 1回の癇癪が、平均して25分を超えて続く
- たいてい自分では落ち着けず、大人の手助けが必要になる
研究でわかっていること
ベルデン博士らは、癇癪の激しさ・回数・起きる場面・立ち直りやすさを、保護者への聞き取りで比べました。行動面の障害がある子では癇癪中の激しい攻撃や立ち直りにくさが、うつ病の子では自分を傷つける行動が多く見られました。
上のサインは、3〜6歳を対象にしたこの論文の中で、こうした様子がいつも見られる場合の目安として示されたものです。ただし著者自身も、病気の目印として実際の臨床で使えるかどうかは、まだ確かめられていないと述べています。
当てはまるものがあっても、それだけで何かが決まるわけではありません。とはいえ、気になるときはひとりで抱え込まずに、かかりつけの小児科や、お住まいの地域の保健センター、子育ての相談窓口などに相談してみてください。話を聞いてもらうだけで、親の気持ちが軽くなることも多いです。
まとめ
今日のポイント
- 物を投げる癇癪は、うまく扱えない気持ちが「投げる」形で出ていることが多い
- 3歳・4〜5歳・6〜8歳、ADHD・ASDの特性で、背景にある原因が違ってくることがある
- 「投げていいもの」を決める、反応しすぎない、次の行動の知らせ方を選んでもらう、先にガス抜きする
- 落ち着いたら一緒に片付けて、「自分で落ち着けたね」と認める
- 攻撃や自分を傷つける行動、長い、または回数の多い癇癪が続くときは、ひとりで抱えずに相談を

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物を投げたとき、その場で叱ったほうがいい?
投げている最中は、大きな声で叱っても気持ちが高ぶっていて届きにくく、かえって刺激になってしまうことがあります。その場では、人や物が危なくないように淡々と安全を守り、「嫌だったんだね」と短く落ち着いた声をかける程度にしてみてください。「投げるのはやめようね」という話は、落ち着いてからのほうが伝わりやすくなります。
「投げていいもの」を用意すると、投げるクセがつかない?
すぐに投げグセがつくとは限りません。投げる行動をなくすことを急ぐより、まずは「危なくない形に置きかえる」ことを目指す方法です。チームのメンバーのご家庭では、時間を決めて投げることで、自分で区切りをつけて落ち着けるようになっていきました。やわらかい物だけにする、人に向けないなどのルールを、落ち着いているときに子どもと一緒に決めておくのがおすすめです。
反応しないようにしたら、もっとひどくなりました
急に反応を変えると、一時的にヒートアップするのは自然なことです。ただ、完全に無視をすると、子どもが不安になってさらに激しくなることもあるので、「そうだよね」など刺激にならない声かけは続けてください。しばらく続けても変わらない場合は、注目を引くこと以外に原因があるのかもしれません。見通しを伝える、先にガス抜きをするなど、ほかの対策も試してみてください。
物を投げる癇癪は、発達障害のサイン?
物を投げること自体は、幼児期の癇癪でよく見られる行動で、それだけで発達障害かどうかがわかるわけではありません。上の「相談を考えたい癇癪の目安」に当てはまるものがあるときや、園や学校での様子も含めて心配なことがあるときは、かかりつけの小児科や地域の保健センターなどに相談してみてください。

この記事を書いた人TERU幼児教育講師/子育て勉強会TERU 代表
幼児教室で、たくさんの親子と関わってきた幼児教育講師。YouTube「子育て勉強会TERUch」(登録者 約13万人)で、子どもの発達や関わり方を研究の知見とあわせて発信しています。Yahoo!ニュース エキスパートとしても活動中。3〜8歳向けの「TERU先生の動画教室」や、オリジナルのひらがな・カタカナ教材も手がけています。
あわせて読みたい
参考文献
- Wakschlag, L. S., et al. (2012). Defining the developmental parameters of temper loss in early childhood: Implications for developmental psychopathology. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 53(11), 1099–1108. PubMed
- Belden, A. C., Thomson, N. R., & Luby, J. L. (2008). Temper tantrums in healthy versus depressed and disruptive preschoolers: Defining tantrum behaviors associated with clinical problems. The Journal of Pediatrics, 152(1), 117–122. PubMed
※この記事は一般的な子育て情報としてまとめたものです。お子さんの心や体の状態で心配なことがあるときは、医師や専門機関にご相談ください。



