幼児教育講師のTERUです。
「0〜3歳くらいの子育てで、子どもの成長につながるお家の環境づくりってありますか?」
こんなご質問をよくいただきます。
結論から言うと、とても大切なことがあります。それは『"3つの同じ"を大切にした環境作り』です。
今回は、子どもの認知発達の観点から、その理由と具体的な方法を解説していきますね!
【目次】
- なぜ「いつもと同じ」が大切なのか?
- 子どもの成長を促す『3つの同じ』環境とは?
- 【まとめ】できる範囲で「いつもと同じ」を
❶ なぜ「いつもと同じ」が大切なのか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、目にするもの全てをビデオ録画のように無意識に「観察」し、「吸収」しています。
この「周りの世界を丸ごと取り込む」という特別な時期だからこそ、「いつもと違う!」という変化に対して、大人では考えられないほどの不安を感じてしまうのです。
特に3歳くらいまでは、「いつもと同じ」ことに安心し、「いつもと違う」ことに不安を覚えやすい、特別な時期です。次々と新しい情報を吸収しているからこそ、以前と違う情報に触れると混乱してしまうんですね。
「いつもと違う」が引き起こすことの例
- 理由なく突然泣き出す
- 癇癪(かんしゃく)を起こす
- なんとなく情緒が不安定になる
もちろん、これらが全ての原因ではありません。
しかし、「なんだか今日はご機嫌ななめだな…」という時、もしかしたら「いつもと違う」環境が原因の一つかもしれません。
逆に言えば、「いつもと同じ」という安心できる環境を整えてあげることで、子どもの心は安定します。
その結果、「新しいことへの挑戦」や「探求行動」が増え、それが素晴らしい成長の機会につながっていくのです。
❷ 子どもの成長を促す『3つの同じ』環境とは?
とはいえ、見るもの、触るもの全てを同じにするなんて不可能ですよね。
大丈夫です!大切にしてほしいポイントは、たった3つだけです。
① 家の中のものはなるべく「同じ場所」に
リモコン、時計、おもちゃ箱、洋服のタンス……。家の中のものは、なるべく保管場所を固定しましょう。
「これは、いつもここにある」という安心感が子どもの心を落ち着かせるだけでなく、後々「お片付け」や「お手伝い」の習慣がスムーズに身につく、というメリットもあります。
※これは「常に部屋を綺麗に保つ」という意味ではありません。床におもちゃが散らばっていても全然OK!それはそれで子どもにとって良い刺激になります。あくまで「片付けるときは同じ場所」という意識で大丈夫です。
② 毎日の行動は「同じ順番」を意識する
朝起きたら、まず光を浴びて、オムツを替えて、ご飯を食べて、歯を磨いて……。
こうした毎日のルーティンは、できるだけ「同じ順番で行う」ことを意識してみてください。
同じ順番で行うメリット
- 心の安定:「いつもと同じ」という安心感を得られる。
- 行動の予測:次に何をするか予測できるようになり、見通しが立つ。
- 自立した習慣化:将来、親が言わなくても自分で考えて動けるようになる。
「心の安定」と「将来の自立」、この2つの大きなメリットのために、ぜひ実践してみてほしい習慣です。
③ なるべく「同じ場所」で同じことを行う
食事をする場所、おむつを替える場所、寝る場所など、日常的に繰り返す行為は、なるべく同じ場所で行いましょう。
私たちの脳には、特定の「場所」と「行動」をセットで記憶する「フィードフォワード」という機能があります。
同じ場所で同じことを繰り返すことで、脳が自然とその行動の準備を始め、食事や寝かしつけなどがスムーズに進みやすくなるのです。
※「フィードフォワード」については、こちらの動画『【1~12歳】優しい子が育つ親の習慣って何?研究から解説!』の中でも詳しくお話ししていますので、よかったらご覧くださいね!
【まとめ】できる範囲で「いつもと同じ」を
今回は、3歳までのお子さんの成長にとって重要な「3つの同じ」についてお話ししました。
- 「同じ場所」に保管する
- 「同じ順番」で行動する
- 「同じ場所」で同じことを行う
この3つを意識するだけで、子どもの心は驚くほど安定し、それが健やかな成長の土台となります。
もちろん、毎日完璧にこなす必要はありません。
親が無理なく、「できる限り、できる範囲で」意識してあげるだけで十分です。その小さな積み重ねが、子どもの大きな成長につながっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!幼児教育講師TERUでした。