子どもを成長させる子育て

【徹底解説】子どものやる気を引き出す9つの原則

家庭教育アドバイザーのTERUです。いつもご覧頂きありがとうございます。今日は『子どものやる気を引き出す方法』について幼児教育講師の目線からこれは効果高いと思うものを厳選して9個ご紹介したいと思います。実践できるもの、そしてお子様に合うかなと感じるものから試してみて下さい!今回の内容は本当に力込めて熱を込めて心を込めて作りました。いつもよりかなり長くなっているのですが、後半にまとめを用意していますので、気楽にご覧頂けたらと思います!

今回の内容はすべて私のYouTubeチャンネルでも紹介しています。 「文章を読むのが苦手」「動画のほうが頭に入る」という方は、ぜひこちらの動画からご覧ください!「子どものやる気を引き出す9つの原則

子どものやる気を引き出す9つの原則

そもそもの話ですが『やる気』って簡単に言いますが、子育てにおいてこれほど重要なものはありませんよね。子育てが上手くいかない時の問題の多くにお子様のやる気が関わってきます。お子様がなんでも一生懸命できて、何にでもモチベーション高く頑張れたら、親としては言うことないですよね。実際は全てにやる気を持ってできるようになるなんてそんな状況はあり得ないのですが、少しでもやる気を引き出すことができたら、子どもの成長の面からも、子育ての負担の面からも良い影響になることは間違いありません。

今回はその助けになる方法をご紹介していきます。今使えるテクニック的なものと、長期的なものの両方がありますので場面に合わせて実践してみて下さい。

①子どもをやる気にさせようと思わない

「え?」と思った方もいるかもしれませんが、この1つ目が超本質だと思ってます。私は今まで多くのご家庭と関わらせて頂いたのですが、親が子どもに「やる気にさせよう!」「やる気を引き出させないと!」と思っているその熱が強ければ強いほどそのお子様のやる気が著しく低いというケースを多々見てきました。そもそも子どものやる気は短期的に見てはいけません。例えば、今目の前の子どもをやる気にさせようと思ったら、口を出したり、手を出したりあれやこれやアプローチをするしかありませんよね。

ですが、本当に大切なことは、自らやりたいことを見つけ、誰にも依存することの無い、子どもの内から出るやる気が芽生えることですよね。それは今すぐには出ません。

その『今すぐ』を求めて親が余計なことを言えば言うほど、手を出せば出すほど子どものやる気は無くなっていくものです。子どもが勉強しないとか、子どもが練習しないとか、それは結局は自分の責任です。そこに親が介入しすぎないことで、宿題をやらずに学校で怒られたり、練習をサボってレギュラーから外されたりするそういった経験から、子どもはどこかのタイミングで心が動くのです。

「頑張らなくちゃ!」「悔しい!」「もっと上手くなりたい!」「良い大学に行きたい!」

どんなことがきっかけでやる気が出るかはわかりませんが、それは全て自発的なものです。ですから、お子様のやる気を出したいと思うのであれば、長期的な目線を持って余計な介入をしすぎないことです。

しつこく

「勉強やりなさい!」「勉強やりなさい!」「勉強やりなさい!」

と言い続けるよりも、子どものやる気を引き出すために親としてやるべきことは別にあります。それは親が何か自分の趣味や仕事に没頭して、やる気を持ってキラキラして取り組む姿を見せるということです。子どもに対して色んなことを言ったり手を出したりする労力を、自分が一生懸命何かに取り組むための時間に使っていって下さい。

子どもはその姿を見て何かを感じとるはずです。それは「頑張るってかっこいいな!」ということかもしれませんし「大人ってすごい!」という憧れかもしれませんし、例えば毎日本を読む姿を見たとして「本って面白いんだな!」とその親が頑張っていること自体にモチベーションがかかるかもしれません。感じ方は子ども一人ひとり違うと思いますが、やる気は言葉で出すものというより、姿で感じさせるものだと私は思うんです。

よく東大生は幼少期に親から「勉強しなさい!」と全く言われなかったと言いますが、それは勉強をちゃんとしていたから言う必要がなかったのではなく、親が「勉強しなさい!」と言わなかったことで、ちゃんと自分のきっかけで勉強のモチベーションが生まれたということだと思います。しつこく口を出されてしまうと、その『余計な言葉』で、あるはずのきっかけが埋もれてしまって見えなくなってしまうのです。

②知らないうちにやる気を下げている親の行動を減らす

やる気を引き出したいのであれば、やる気を下げる親の言動を減らしていくことを意識するのも効果的です。具体的なポイントは5つあります。

1)子どもがやりたいことを親が代わりにやってしまわない

子どもはそもそもやる気満々な生き物です。つまりやる気は引き出すものというより、やる気を邪魔しないという方が正しかったりします。その邪魔の代表的な行為が代わりにやってしまうということです。例えばお子様が

自分でご飯をよそいたい!

と言ったとします。でも親から見てまだ早いと感じて

まだあなたには早いわよ

と言ってやらせなかったとします。

その瞬間子どものやる気は下がるわけです。それを繰り返していき、年齢が上がって親から見て「そろそろできるかも!」と思った時に「ご飯の準備してくれる?」と聞いても、反対に「やりたくない」と言われてしまう可能性は高いです。そこまで何度もやる気をくじかれてきたからです。ですから、どんなことでも「やりたい!」と言ったらやらせてあげる。これがやる気のある子を育てる1番の秘訣です。お子様の『能力があるから挑戦させる』のではなく『興味があるから挑戦させる』が正解なのです

2)やらない時は叱られるのにやった時は何も言ってもらえない

これも子どものやる気を下げる代表的な対応ですよね。結構無意識にこのような対応をしてしまっている方は多いのではないでしょうか。大人でもそうですが、日頃の生活でも、仕事でも、勉強でもやらない時にはガミガミ言われ、ちゃんとやっている時には無関心でいられると「何それ?」と思うものです。子どもはそれを大人以上に感じています。ですから、やらない時に声をかけたとしたら、それ以上に、ちゃんとやった時を逃さないように目を光らせて、声をかけてあげるようにしていきましょう。

3)バツを付けられる

これは一番わかりやすいのが勉強です。子どもが解いた問題を親が丸付けする時は、必ず正解に○をつけ、不正解には×を付けないようにしていきましょう。最悪なのが間違ったところだけに×がついているような採点の仕方です。たとえ子どもがほとんどの問題を正解していたとしても、視覚的に×が飛び込んでくるので、マイナスな印象が強くなります。その結果モチベーションが下がっていくのです

これは視覚的にわかる丸付けだけの話ではありません。例えば、子どもがスポーツの練習をしているとします。その時にたくさんのアドバイスをしたくなりますよね。

もっとこうした方がいいよ
今のはこうだったからこうしよう!

とか。これらは一見プラスの言葉に聞こえます。

ですが子どもからすると

今のはここが悪いよ
今のはここができてないよ


×をつけられているように感じるものです。ですから、アドバイスをするのであれば、良かったところと合わせて伝えていきましょう。伝え方としては

今のはここが良かったね!あとここに気をつけるともっと良くなるよ!

とか

どんどん上達していくね!こうするとさらに上手くできるよ!

といった言い方を心がけると、子どもは×をつけられていると感じないものです。

4)一言目がネガティブ

これは別の動画で解説していますので、そちらを参考にして頂きたいのですが、子どもが何か頑張ったことや、良い結果を報告してきた時に、疑うように「本当に?」と言ったり、「そんなわけないでしょ」と反射的に言ってしまう人は結構います。その後に事実確認をして本当だとわかった後に「あら本当ね!すごいじゃない!」などと言っても時すでに遅しです。その一言目が子どものやる気をへし折っていますから、次また頑張ろうと思えなくなってしまいます。

5)やる気が出る環境じゃない

これも結構あります。例えばお子様が勉強している時に、テレビがついていたり、親は寝転がってダラダラしていたりすると、それだけでやる気は出ませんよね。他にも、気になるものが目につくところにあったりするとそれだけで興味が他に移ってしまいますから、本当にやる気を出して欲しかったら、なるべく目につく範囲の気を取られるものを排除して、そして、家族も子どもと同じ空気感で、一緒に集中して何かに取り組んでいるような環境が作れると、自然とやる気も上がっていくものです。

③頼る

頼るという行為は、子どものやる気を引き出す必殺技だと思っています。子どもは大好きなパパママから頼られることほど嬉しいことはありませんし、信頼されていると感じることはありません。この頼るという行為は物理的な頼ると精神的な頼るがあります。この両方を上手く使っていくと、子どものやる気はどんどん上がっていきます。

物理的な頼るとは、例えば、お手伝いを積極的にやってもらうとか、何か物を運んでもらうといったことですが、これは最後にIメッセージで感謝を伝えることでやる気に変わります。ただやってもらうだけではダメです。「ありがとう」「助かったよ」といった言葉を忘れずに適度に頼っていきましょう。

そして精神的な頼るとはどういうことかというと、『相談をする』というのが一番わかりやすいかもしれません。例えば、

ママに母の日に何かプレゼントをあげたいと思うんだけど、〇〇ちゃんは何をあげたら喜んでくれると思う?

とか

ママね、最近職場の人と上手くいかないことが多いんだけど、〇〇君はお友達付き合いがとても上手じゃない?どうやったらお友達と仲良くできるかな?

とか

明日のお出かけ、どこ行こうか迷っているだけど、何かいいアイディアないかな?

とか

どっちの服を着ていくか迷ってるんだけど、どっちがいいかな?

といったように、大きいことから小さいことまで、子どもに相談してみましょう。

こんなこと子どもに言うことじゃない。と感じることほど、子どものやる気を引き出す相談にはうってつけです。大人が考えるようなことを相談してもらえることで、子どもは認められていると強く感じてモチベーションが高くなっていくものです。

この時に、もちろんですが、すごく納得のいく良い答えが返ってくるかどうかは重要ではありません。正直トンチンカンな回答が返ってくるかもしれません。ですが、それでも

なるほど!そういう考えもあるか!ありがとう!


と伝えていきましょう。その言葉が「また色んなことを頼られたい!」というやる気につながっていきます!あとは他にも、積極的に日頃の中で「〇〇君はどう思う?」という言葉を使っていきましょう。

テレビを見ていて、「現代の若者は睡眠時間が伸びている」と報じていたら

〇〇君は何で睡眠時間が伸びてるんだと思う?

と聞いたり、

日本のラーメンが海外で人気らしいよ!何でだろうね?

と簡単な意見や考えを聞く声かけをしていくことだけでも頼られていると感じるものです。

④選ばせる

これは、子どもというよりも人間誰でもそうですが、結局は自分で決めたことにはやる気が起きて、人にやらされることにはやる気が出ない。これは絶対的な原理原則です。つまりやる気を引き出したいと考えるなら、自分で選んで、自分で決めた感をどれだけ演出していくかということが鍵です。まず一番いいのはもちろん、自分でやりたいといったことをやらせることです。自分がやりたいと言ったことですから、どれだけ持続するかはわかりませんが、最低限のやる気は発揮してくれるはずです。

そして問題は親が何かをやらせたい時です。そんな時は「これをやりなさい」とか「これをやろうね」ではなく、何かしらで選択肢を作り選ばせましょう。例えば、

今日の宿題は〇〇と〇〇があるけど、〇〇君的にはどっちからやる方が効率よくできると思う?

とか

今から外にお出かけだけど、おもちゃのお片付けとお洋服を着替えるのどっちを先にやった方が早くできるかな?

といった感じで選択肢を作って選ばせることで、子どもに主体性が生まれます。ただやらされるよりも格段にやる気につながります。この時のポイントは③でご紹介したように『頼るような聞き方』をすることです。ただ「どっちからやる?」と聞くだけだと、結局やらされている感が出てしまいますが「どっちが効率いいかな?」とか「どっちからやったら早くできるかな?」というように、お子様に相談しているような伝え方ができるとモチベーションに繋がっていきやすいです。

⑤自分が成功した時の理由を考えさせる

これは「勉強を集中して取り組ませたい!」とか「ピアノの練習をがんばらせたい!」と今目の前のことにやる気を出して欲しい時の方法です。そんな時は、お子様が過去に頑張れた時、成功した時の『理由』を考えさせましょう。

例えば、勉強を開始する前に

そういえば、この前は1時間も集中して頑張れたよね!あの時は何で頑張れたのかな?

とかピアノの練習の前に

この前の練習の時、暗譜がいつもより早くできたよね!何であんなに早くできたの?

と質問をしてから始めるといった感じです。

これは行動心理学の実験でも大きな効果が期待できると言われる手法です。お子様からは色んな答えが返ってくるとは思います。ですがその答えは何でもいいです。成功した理由を子どもなりに考えることが大事です。この方法は一点注意が必要で、「成功した時の自分を想像してごらん」ということは逆効果だということです。つまり、前に上手く行った時をイメージするのではなく、その成功した『理由』を考えさせるということが大切だということです。

そしてこれと伴って反対に減らしていきたいのが、できない理由を考えさせる言葉です。

何でできないの?

とか

何度やったらできるようになるの?

といった質問からは何もプラスなことは生まれません。ただの問い詰めみたいになるか、子どもの頭の中にできない言い訳を生むだけです。使うのであれば失敗にフォーカスするのではなく、「どうしてできたの?」という成功にフォーカスした言葉を使っていきたいですね!

⑥日頃から結果ばかり褒めすぎ

これはいつもお話ししていることですが、大人が結果ばかりにフォーカスしていると子どもは挑戦できなくなります。成功することが自分の価値だと思い込んでしまうからです。成功することが自分の価値だと思っていると、「成功できないかも」と思うことには挑戦しません。その姿が大人から見ると「やる気がない」と見えるわけです。

そうならないためには、シンプルに結果より過程に対して声をかけることです。「よくできたね!」とか「100点取ってすごいね!」という声かけではなく、

よく最後まで頑張ったね!

とか100点を取った子に対して

やったね!毎日一生懸命勉強してたもんね!

というような言葉を多く伝えていきましょう。そして、結果が出た時だけではなく、今まさに勉強しているときや、スポーツの練習をしているときに「頑張ってるね!」「集中しててすごいね!」と声をかけてあげることが過程を見てくれている!と感じるためには大切です。

⑦親がいつも笑顔

これは結構大事です。正直私の感覚的なところも半分あるのですが、あらゆることに目をキラキラさせて、挑戦している子どもの親御様は、笑顔が素敵で明るい方が多いです。「これはなぜなんだろう?」思いと色々調べたり、考えたりしてきた中で見えてきたのが、結局はやる気の土台には『安心感』があるなというのが私の結論です。親は子どもにとって一番大きな存在です

その親がいつも怖い顔をしていたり、不安な顔をしていると、子どもも不安になってくるものです。反対に笑顔でいると、それによって子どもの心が安定してきて、何事も安心してチャレンジできるようになるのです。そのようなチャレンジができる子どもの姿は、間違いなくやる気ある姿ですよね。

そのためには親が自分の子育てに高い基準を持ちすぎず、余裕を持つことだったり、どうしようも無い部分もあるのが現実ですが、なるべく自分のリラックスできる時間を取れるように家族で役割を分担したり、後はもちろん笑顔を意識して作ることも大切です。

こういうことを言うと、作っただけの笑顔は子どもに伝わってしまうというご意見が出ると思います。その通りです。恐らく子どもはそれを感じ取ってしまうと思います。ですが、心理学の研究では、楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔を意識して作るから、そういった感情が生まれてくると言われます。ですから笑顔を意識して作っていくと少しずつ自然とそういった感情が生まれてくるわけです。そして、お子様が親から感じ取るもののうち、見えなくても感じ取ってしまう部分もありますが、もちろん目から見たパパママの姿もちゃんと感じ取ります。ですから、笑顔を意識して作っていくことはマイナスになることはないと思うのです。

⑧人前で子どもの良いところや頑張っていることを話す

これは私の経験上、かなり効果が高いなと思う方法なのですが、子どもがいるところで、他の人に子どもの頑張っていることや良いところを積極的に話していきましょう。子どもは直接親から褒められたり、認められたりするのも嬉しいものですが、親が自分のことを嬉しそうに周りに話していることは、それ以上に嬉しかったりします。日本人はこれと反対のことをやりがちで、人前で

「この子はまだまだでねぇ」「全然勉強しないのよ」「算数が苦手でね」

というようにマイナスなことを言ってしまいます。この発言を子どもはちゃんと聞いていて、ひっそり傷つき、ガクンとやる気が下がっていたりします。ですから、人前でお子様のマイナスなことではなく、プラスなことを伝えていきましょう。ですがこれをママ友とかにやっていると、煙たがられるかもしれませんので、家族内でやるのが一番イージーです。例えば、帰ってきた旦那さんに

今日〇〇くん勉強すごく頑張っててね!嬉しかったんだ

というように伝えていき、それをお子様が聞こえる状況であるとお子様はがぜんやる気になっていきます。これはテクニック的なことではありますが、効果が高いのでぜひやってみて下さい!

それに伴って気をつけたいのが、周りの人からお子様の良いところなどを褒められた時です。「〇〇くんはいつも礼儀正しくてえらいわよね」と言われたとして、それに対して日本人は謙遜をしがちです。「そんなことないわよぉ」とか「いやいやこの子は家では〇〇なのよ」などと謙遜して子どものマイナスなことを言い返してしまう人は結構多いです。この言葉、子どもたちは地味に傷ついて、モチベーションが下がってしまっています。そんな時は「ありがとうございます」とお礼を言えばOKです。大人の会話は常に子どもは聞いていると思って対応していってあげましょう。

⑨前進している感覚を見える化する

近年の研究では、人のやる気を大きく左右する要素として『前に進んでいる感』が大切だとわかっています。つまり、自分が日々取り組んでいることで、1日1日成長を感じられたり、小さくても明確に成果が出ていることを感じたり、目標に向かって1歩でも進んでいることを感じることがやる気と直結しているということです。

そのために親ができることは、子どもの『成長』『進捗・成果』『工夫』を見える化してあげるということです。恐らく何かしらの方法で、これを実践されているご家庭は多いのではないかと思います。

『成長の見える化』とは、子どもが前より何かできるようになったとか、前より早くできるようになったとかそういったことを指します。『進捗・成果の見える化』とは目に見える形で点数が上がったり、習い事の級やランクが上がったとかそういったことや、今日目標にしていたすべきことがどれだけ終わったかということです。

そして『工夫の見える化』とは、成長と成果と進捗を進めるためにお子様がどのような工夫をしたかという、言い換えると努力の見える化です。ポイントはこの最後の『工夫の見える化』に着目するということです。恐らくほどんどの方が、成果成長進捗に関しての見える化だけに着目してしまいます。ですが一番大事なのは『工夫』です。他の2つは全て結果にフォーカスを当てた視点であることはお分かりいただけると思います。

ですが唯一『工夫』は過程にフォーカスを当てた視点です。これが大切です。つまり、できたかできなかったか、成長したかしなかったかだけでなく、『できるために、成長するために』何をしたのかを見える化していってあげることが大切だということです。それを根幹に置き、見える化によってお子様が前進している感覚を得ることができれば、やる気は上がっていくのです。

おすすめの取り組み

具体的な取り組みとして一番シンプルで良いのは『カレンダーや手帳』だと思います。今回はこれにフォーカスして見える化の方法をお伝えしますが、同じようなことができれば他の方法でももちろん構いません。

ステップ1:カレンダーか手帳を購入する

例えば勉強のやる気をあげたいと思ったとします。そうしたらまずなるべく書けるスペースが広いカレンダーか手帳を買いにいきましょう。

カレンダーのメリットは壁に貼っておけるので視覚的に意識しやすいことで、手帳は持ち歩けるため、どこでも活用できることがメリットです。お子様の目的に合ったものを買ってあげましょう。選ぶときのポイントは、必ずお子様に選ばせるということです。

自分で選んで買ったものは特別感が出るため、継続がしやすくなります。そしてこの取り組みの最大のポイントをお話しします。それは、親も一緒にやることです。親も自分のカレンダーか手帳を買いましょう。そして、大人も自分の目標に向かって自分のカレンダーや手帳を使っていくのです。お子様はどこかで「何で自分だけやるの?」とシンプルに思っているものです。そこで親も一緒に取り組んでくれることで、スッと受け入れて頑張ることができます。

ステップ2:勉強開始

次は使い方について説明します。お子様が勉強を始める前に、『作戦会議』の時間を設けます。そこでは次のことを話しましょう。

  1. 今日は何を終わらせることを目標にするか。
    これは進捗に関する項目になります。今日取り組むべきものを整理して、取り組む順番などを自分で決めて、それを順番通りに手帳かカレンダーに箇条書きで書き出しましょう。
  2. 効率よく進めるための作戦を考える。
    進捗の目標を作ったらすぐに開始ではなく、どうやったら効率よく進められるか、どうやったら効率よく暗記できるかなど、取り組むものによって作戦を一緒に考えていきましょう。これがいわゆる工夫の項目になります。これはたくさん考える必要はなく、1つで良いです。そして毎日違う必要はなく、前日上手くいったから今日も同じ工夫を続けるでもOKです。

    例えば漢字練習を目標にしたら、効率よく覚えるために、いつもはすぐに書き出していたのを、最初に5回音読してから始めるとか、指でのなぞり書きを多くして反復回数を多くしてみるとか、歩きながら覚える方が効率がいいと聞いたので今日は歩きながら覚えてみるとか、そのような感じの工夫を1日1つでいいので考えていきましょう。そしてそれを手帳かカレンダーに書き出します。

  3. 勉強スタート
    ここから勉強スタートです。
    子どもは終わった項目にチェックをしていきます。
  4. 終了後作戦会議
    そして全て終わった、もしくは時間がなくてタイムアップだとしても、
    終わりに作戦会議を開きます
    そこでは全て終えていなくても、絶対に叱ったりしてはいけません。

    親から見て感じたお子様の頑張りや成長をフィードバックしてあげましょう。「集中していたように感じた」「工夫を一生懸命実行しようとしていた」「書くスピードが早くなってきた」というように感じたことを伝えていきましょう。そしてそれを親が手帳やカレンダーに一言でいいので書いてあげましょう。

  5. 今日の工夫がどうだったかお子様に聞く
    最後に
    今日の工夫がどうだったかお子様に聞いてみましょう。自分の中でこの工夫が成果が出たのかどうが、どう感じたかなどお子様なりの回答を聞ければ、これで終わりです。これにより、進捗、工夫、成長の3つを感じることができる取り組み方になります。
ステップ3:程よいご褒美

そしてこのような取り組みの効果を加速させるのが『程よいご褒美』です。ご褒美はよくないという考えもありますが、そもそもこのような取り組みを小学生くらいで行うのは本来かなりハードです。ですがこのようにやるべきことを管理して工夫していく習慣をつけるのはとても大切なことです。

ですから、多少のご褒美はあってもいいと思います。ご褒美は本来、褒めてもらえるなどの、精神的なご褒美が一番依存しないと言われるのですが、それではちょっとインパクトが弱いので、今回は物に関するご褒美をオススメします。そのご褒美はなるべくお金とかではなく、その他の物がいいです。そしてご褒美はランダム性があるとご褒美のモチベーション効果が継続しやすいと言います。

それを踏まえて私が一番オススメするのが、くじ引きです。くじ引きはランダム性があって楽しんでくれる子は多いです。くじ引きの中身は、お菓子一個とか、簡易なおもちゃとか、あとは好きな本を一冊買ってもらえる券とか、他には5枚集まれば何か好きなものを買えるような券を混ぜても面白いですし、好きなところに連れていってもらえる券とか、夕食好きなものを注文できる券とかも面白いです。

他にも例えば面白いお父さんであれば、お父さんの一発ギャグ券とか、何でも無限に考えられると思いますのでお子様のためにたくさん考えて、くじに入れてあげて下さい。特に物をもらえるような物理的なご褒美だけではなく、今の一発ギャグのような無形のもの精神的なものも考えていけるとご褒美としてはよりランダム性があり、依存もしにくくなるので良いです。この方法が今のところ、私が最もオススメするご褒美です。特に本を買ってもらえる券は、結果的にお子様の成長に繋がるものでもありますので、オススメです。

くじ引きをする頻度ですが、2日連続で全ての取り組むべきものを終わらせることができたら引けるくらいがいいかと思います。ただし、1週間に1回とか1ヶ月に1回とかはおすすめしません。これは心理学の研究からもわかってきていることですが、大切なのはなるべく短いスパンで達成を味わえることです。短いスパンで達成を味わえることがやる気を持続につながるとわかってきているからです。

1ヶ月頑張ったら何かできるというようなものは幼児や小学生にはおすすめしません。ちなみにここまでご褒美について長々と話してきましたが、手帳やカレンダーを実行するだけで子どもがモチベーション高く取り組んでくれます!という方は、あえて導入する必要はありませんので、継続できなくなってきたときの必殺技くらいに思っておいて良いと思います。

以上が『子どものやる気を引き出す9つの原則』でした。色々とテクニックを含めてお話ししていきましたが、最も重要なことは①でお話ししたように、短期的な目線でやる気を考えすぎないということです。ご紹介した色んなテクニックは試しながら、余計な介入はしすぎないように、お子様が自ら火をつくのを見守ってあげることも大切です。

ぜひ今回の内容を実践できそうなものからお役立て頂けたら嬉しいです。最後にまとめを表示させてもらいます。皆さんが具体的に実践していただくためにご活用頂けると嬉しいです。

まとめ

子どものやる気を
引き出す9つの原則

 

  1. 子どもをやる気にさせようと思わない
    • やる気を引き出す本質は「長期的な視野で考える」こと
    • しつこく声掛けや手出しをするより親が何か自分の趣味や仕事に没頭して、やる気を持ってキラキラして取り組む姿を見せる方がよい影響が生まれる
  2. 知らないうちにやる気を下げている親の行動を減らす
    1)子どもがやりたいことを親が代わりにやってしまわない
    2)やらない時は叱られるのにやった時は何も言ってもらえない
    3)バツを付けられる
    4)一言目がネガティブ
    5)やる気が出る環境じゃない
  3. 頼る=子どものやる気を引き出す必殺技
    1)物理的な頼る:お手伝い、物を運んでもらう
    2) 精神的な頼る:相談をする
  4. 選ばせる
    • 人は自分で決めたことにはやる気が起きて、人にやらされることにはやる気が出ない
    • 子どもになるべく選ばせて、自分で決めた感を演出
  5. 自分が成功した時の理由を考えさせる
    • お子様が過去に頑張れた時、成功した時の「理由」を考えさせる
    • 成功したときの自分を想像させるだけでは逆効果
  6. 日頃から結果ばかり褒めすぎ
    • 大人が結果にフォーカスしていると子どもは成功=自分の価値だと思いこんでしまい挑戦できなくなる
    • 結果より過程に対して声をかけることをこころがける
  7. 親がいつも笑顔
    ・あらゆることに目をキラキラさせて、挑戦している子どもの親御様は、笑顔が素敵で明るい方が多い
    ・親が笑顔でいると、それによって子どもの心が安定してきて、何事も安心してチャレンジできるようになる
  8. 人前で子どもの良いところや頑張っていることを話す
    ・子どもがいるところで、他の人に子どもの頑張っていることや良いところを積極的に話す
    ・家庭内で行うのがおすすめ
    ・周りの人からお子様の良いところを褒められた時、謙遜してマイナスなことを言わない
  9. 前進している感覚を見える化する
    ・近年の研究では、人のやる気を大きく左右する要素として「前に進んでいる感」が大切だとわかっている
    ・親は「成長」「進捗・成果」「工夫」を見える化してあげる

おすすめの取り組み:カレンダーや手帳(勉強をやる場合)

  • ステップ1:子ども自信が選んで手帳を購入する
  • ステップ2:勉強開始前に「作戦会議」の時間を設けてから勉強開始
    1. 今日は何を終わらせることを目標にするか→手帳に書く
    2. 効率よくすすめるための作戦を考える
    3. 勉強スタート→終わった項目にチェックしていく
    4. 終了後作戦会議
    5. 今日の工夫がどうだったかお子様に聞く
  • ステップ3:程よいご褒美でモチベーションUP:オススメはくじ引き
    • 様々なバリエーションのくじを用意することでランダム性が生まれる、精神的なくじも入れる。
家庭でできる子どもを伸ばす子育て情報

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家庭教育アドバイザー/幼児教育講師
TERU
教育者として、これまで1000人以上の子どもたちと親御様と関わらせて頂きました。その経験を元に、子育て・知育・幼児教育ノウハウを子育てを頑張る皆様へお届けします!主に0歳〜12歳が専門です。
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